カギはDXにあり。製造業におけるアフターコロナ

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アフターコロナ

世界は、現在も社会活動を抑え込む新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるう最中にあります。

今企業に求められるのは、ウィズコロナを生き抜く体力とアイデアだけでなく、アフターコロナを見通す先見性です。

アフターコロナは単にウイルスの脅威が過ぎ去ることを意味するだけでなく、社会やビジネスがこれまでと姿形を変えるという本質も孕んでいます。

では、製造業におけるアフターコロナはどうなるのでしょうか。

今回は、アフターコロナのカギとなるデジタルトランスフォーメーション(DX)を主軸に、未来の製造業のあり方や、有望なテクノロジーについて解説していきます。

アフターコロナとは?ウィズコロナで変化しつつある社会構造

アフターコロナとは

アフターコロナとは、現在流行中である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機を脱した後の世界を指す言葉です。

本質的には、コロナ渦(ウィズコロナ)で得られた「経験」をもとに、これまでとは違った社会やビジネスが展開されるという意味も含んでいます。

ここでの「経験」について多くを占めるのが、ウイルス感染を避ける外出自粛期間中に普及した「非接触型」のコミュニケーションやビジネスです。

例えば、ソーシャルディスタンスの徹底や、テレワーク・オンライン授業などのリモート技術を活用した社会活動への参画が挙げられます。

一部接触を避けられない業種を除けば、結果として「人と人が接触しなくても社会活動は可能」という事実が、世間一般で浮き彫りになりました。

カギとなるのはデジタルトランスフォーメーション(DX)

こうした時代の変化で最も注目されたのは、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

概念自体は10年以上前から存在し、経済産業省がDXを推進すべくガイドラインを策定したのも2018年のことです。

しかし新型コロナを機に「リモート化」「自動化」「オンライン化」などが叫ばれる今、DXから逃れることはできません。

現在は試行錯誤の段階ですが、アフターコロナではDXを実現する企業が大多数を占め、デジタルの世界と切り離せないような社会が世界観の一角となるでしょう。

参考:「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」経済産業省

アフターコロナにおける製造業のあり方

アフターコロナにおける製造業

アフターコロナにおける製造業を考えるため、まず現在のウィズコロナ期にある製造業が抱える課題とその解決策に着目してみます。

製造業×コロナの課題

課題で大きなポイントとなるのが、生産現場となる工場の存在です。

PCやタブレットで完結する事務作業や、会議などのコミュニケーションはテレワークの適用が容易ですが、現場でのものづくりとなるとそうは行きません。

現場頼りの体質では、新型コロナのようなウイルス感染対策のために省人化や従業員の自宅待機を実施すると、純粋な人手不足に陥ります。つまり、従業員の健康を守りつつ、操業をこれまで通り続けるのは困難です。

世界規模の自粛による需要減少も相まって、工場の稼働停止を余儀なくされる企業も増えています。このままでは、供給の命綱となるサプライチェーンが崩壊するリスクと隣り合わせの状態です。

関連記事:製造業でのテレワークは不可能なのか?新たなテクノロジーを用いた活路を紹介
関連記事:製造業におけるウィズコロナ時代の生存戦略とは?

こうした課題を克服してはじめて、製造業はアフターコロナ期に入ったと論じられるでしょう。

では、現状どのような解決のアプローチや発想が存在するのでしょうか?主な3つについて解説します。

リモートや自動化技術を用いた無人工場

人がいないと工場の稼働が停止するという課題に対しては、人がいなくても稼働できる工場があれば解決できます。

無人工場を実現化するアプローチとしては、リモート技術と自動化技術が挙げられます。

つまり、物理的な仕事はロボットが実施して、人は遠隔から制御するのが無人工場のイメージです。

すでにAIを用いた品質管理や、無人搬送機(AGV)による在庫管理、管理者を1名のみ配置した産業用ロボットによる自動生産ラインなど、無人化を実現する事例は世界各地で散見されます。

関連記事:産業用ロボットとは?主な5種類や事例、他のロボットとの違いを解説

主に管理・監視業務を安定して遠隔化できれば、工場の完全無人化は決して不可能ではありません。

受発注のオンライン化

材料の調達や商品の仕入れなどで行う受発注において、いまだに手作業で棚卸した後、伝票やFAXで依頼するといったアナログな手段を採用する企業は少なくありません。

アフターコロナでは、BtoB受発注のチャネルとして、オンラインをベースとした電子商取引システム「EDI(Electric Data Interchange:電子データ交換)」がより広く普及すると予想されます。

さらに、最適な量を受発注できるよう、IoT機器を用いたモノの管理ができれば棚卸が不要になる時代も目前です。

データドリブンのサプライチェーン

データドリブンのサプライチェーンとは、電子データを要とした、モノの流れがトレースしやすいサプライチェーンです。

電子データの一例として、以下のイメージが挙げられます。

  • 「X社のA製品はどこで作られ、現在どこを移動中なのか」といったモノの位置情報
  • 「Y社のB製品は小売店でどういった顧客層にどれだけ売れたのか」といった市場情報

位置情報はトレーサビリティを向上させ、工場内部では生産管理や品質管理に役立ち、流通後は不具合発生時の回収対応を迅速にするための必要です。

市場情報は需要予測の精度を向上させ、最適な購買や生産計画に寄与します。

モノの供給に関連するすべてをデータ化して、製造業全体で共有すれば、どの企業も最適なサプライチェーンマネジメントを展開でき、柔軟で途切れにくいサプライチェーンを保つことができるでしょう。

関連記事:製造業界必須の知識、サプライチェーンマネジメントとは?

アフターコロナの製造業で有望なテクノロジー

アフターコロナ-テクノロジー

先ほど紹介した解決アプローチや発想を実現し、アフターコロナの製造業で役立つと期待されるテクノロジーを3つご紹介します。

IoT

loT(Internet of Things:モノのインターネット)は、従来の通信用デバイスだけでなく、あらゆるモノをインターネットに接続させる技術です。

製造業におけるIoTは、工場の工作機械やセンサーなどがインターネットにつながり、生産に関する進捗情報や障害情報の常時収集、または遠隔からの稼働監視などを可能にします。

IoTは、デジタル化で最も重要な「データの入り口」となるため、データドリブンのサプライチェーンや、自律型工場「スマートファクトリー」に欠かせない要素とされています。

関連記事:IoTの基礎知識と製造業での活用メリット・課題を徹底解説
関連記事:スマートファクトリーとは?メリット・デメリットを事例と一緒に解説

デジタルツイン

デジタルツインとは、現実世界のデータを収集・解析し、現実に対する双子(ツイン)のような世界をデジタルに構築する技術です。

IoTをあらゆるデータの入り口とすると、デジタルツインはそのデータをバーチャルの世界で形にする役割があります。

例えば、現実の物体が詳細に3D化されたり、施設がバーチャル化されVR映像で中を徘徊できたり、事象が数値化されて環境の変化を観測できたりと、用途はさまざまです。

製造業においては、製品シミュレーションの高度化や、施設保守のリアルタイム化に役立つと期待されています。

関連記事:「デジタルツイン」とは?製造業も仮想空間を活用する

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、ビットコインをはじめとした仮想通貨でその存在が世界的に認知されるようになった技術です。

その実態は、データが「絶対に改ざんされない」ように暗号化した状態で、通信や保管を行うための仕組みです。

サプライチェーンがデータドリブン(データをもとに判断し、実行する)型に変化していくと、あらゆる企業の製造に関するデータがネットワークに流通するようになります。

ここでデータに改ざんがあると、根底からサプライチェーンマネジメントが崩されてしまうリスクがあります。

そこで、ブロックチェーンを用いてデータの完全性(不正がないこと)が担保されれば、セキュリティの観点で非常に安全です。

アフターコロナを見据えた戦略を

今後、どの業種においても重要になるのはビッグデータを源泉としたデジタルの世界です。

新型コロナの流行がDXの推進を後押しした結果となりましたが、あらゆる企業はこの急速な時代の変化に対応しなければなりません。

半導体業界では、材料や製造工程の特殊性から自動化による無人製造にいち早く取り組んできました。

この半導体業界において培った自動化技術は製造業に限らず、さまざまな業種・業界で有効利用され始めています。

参考:アウトソーシングテクノロジー プロダクトソリューション|あらゆる産業へのソリューションをご提供

今回解説したように、製造業にもDXの波は間違いなく来ています。取り入れられる要素を吟味し、アフターコロナを攻略していきましょう。

規模の小さい中小企業でも、まずは産業用ロボットを導入した自動化ソリューションを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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