生活や仕事への影響は?ロボットが未来で果たす役割とは

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現在、急速な勢いで社会に浸透しはじめているロボット。モノを生産する工場で稼働しているロボットだけではなく、ショッピングモールでの案内やオフィスビルの受付役、家庭内での清掃ロボットなど、いたるところでその姿を見かけます。日本ロボット工業会によると、2017年のロボットの受注・生産額は過去最高と発表されており、ロボットの需要の高さが伺えます。

ロボットがこれほど必要とされている理由は、日本社会が抱える「人口減少」や「超高齢社会」といった課題が深刻化しているからです。その解決策としてロボットに大きな期待が寄せられています。ロボットはこれからの社会でどんな役割を果たすのでしょうか。今回は、近い未来に期待されているロボットの効果を解説します。

参考:ロボット統計受注・生産・出荷実績 2017(平成29)年について

「産業用」と「サービス」。ロボットは大きく2種類に分類される

工場で稼働している大型の搬送ロボットや家庭内で利用されているロボットなど、ロボットの大きさや目的は多種多様です。一つひとつ姿形も異なるロボットですが、ロボットの分類は法律で定められており、大きく2種類に分けられます。

主に工場などで製造工程を自動化する目的で活用される「産業用ロボット」と、それ以外の医療や警備、介護や接客・案内といった用途で利用される「サービスロボット」です。

日本ロボット工業会が2017年に発表した産業用ロボットの統計出荷実績によると、産業用ロボットの出荷額は年々上昇しています。

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参考:マニピュレータ、ロボット統計出荷(業種別)実績 2017(平成29)年

また、2010年に研究開発法人のNEDOが発表した「2035年に向けたロボット産業の将来市場予測」によると、施設やサービスロボットの国内市場は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを機に産業用ロボットと同額まで成長し、2035年には産業用ロボットの約2倍にまで拡大すると予測されています。

特に、IoTやAIを活用したコミュニケーションロボットの需要が高まり、今後ますます活躍の幅を広げていくことでしょう。

参考:2035年に向けたロボット産業の将来市場予測ーNEDO
参考:「サービスロボット」の最新動向

人口減少や超高齢社会。ロボットの活躍が期待される社会的背景

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なぜ、これほどまでにロボットの市場が伸びており、今後の大幅な成長も見込まれているのでしょうか。その大きな理由は、日本が抱えている社会問題にあります。

本項では、ロボットが深く関係する社会問題と、期待されている効果について解説します。

ロボットが労働力不足解消へのカギ

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参考:日本の将来推計人口(平成29年推計)−国立社会保障・人口問題研究所

日本を代表する社会問題「人口減少」。人口減少で特に深刻な影響を受けているのが製造業界です。各業界で限られた人材の獲得競争が発生するなか、製造業界は「きつい・汚い・危険」を表す「3K」という負のイメージが若い世代に残ることから、新しい働き手に選ばれにくい状態でした。

また、製造業界を支えていた熟練の作業員が、次の世代に技術を承継することなく、高齢を機に引退してしまう現状もあります。熟練工がいなくなると、これまで培ってきた高い技術が失われてしまいます。

若手と熟練作業員ともに人材が不足している製造業界にとって、作業員ひとり当たりの生産性向上は急務です。少ない人員でより高い生産性を生み出すための方法として、産業用ロボットの普及が進んでいます。

超高齢社会を支えるのはロボットになる可能性も

超高齢社会を迎える日本は、介護にかかわる人材やサービスの充実が必要です。しかし、「低賃金」「過重労働」といった課題もあり、介護職でも人材が不足しています。

この課題解決として期待されているのが、サービスロボットのひとつ「介護ロボット」です。要介護者を動かす際の移乗介助や屋内外の移動サポート、排泄や入浴の手助けをするロボットなど、介護職員の負担を軽減するためのロボット開発が進んでいます。しかし、ロボットに介護される要介護者の心理的な壁や、活用事例の少なさによる利用者の不安、導入コストの高さなどの要因から、現場への本格的な導入はあまり進んでいません。

この現状を受けて、行政は介護ロボットを導入するための補助金制度を用意しているため、適用要件を満たせば導入コストも抑えられます。介護ロボットの一般化にはまだ時間がかかるとされているものの、今後も需要の高い領域として、強い期待が寄せられています。

参考:次世代介護機器導入促進事業(都独自事業)の募集について

社会に浸透していくロボットはどんな役割を担っていくのか

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ロボットが必要とされている理由は、「人口減少」や「超高齢社会」をはじめとした社会背景だけではありません。時代の潮流とともに、ロボットが社会から自然に必要とされはじめているのです。

はたして、ロボットはこれからどんな役割を担っていくのでしょうか。ロボットがこれから担う役割の一部を活用事例とあわせてご紹介します。

外国人の案内役。グローバリゼーションの波

総務省が発表した平成30年1月1日時点の住民基本台帳によると、日本における外国人の数は、前年よりも約17万人増加しており、日本人は約37万人減少しています。高齢者の割合が多い日本人は減少傾向のため、今後も国内に居住する外国人の割合が増加していくことが予想できます。

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参考:訪日外来客の数位−日本政府観光局(JNTO)

また、旅行で日本に訪れる訪日外国人も年々増加しており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで旅行客数はピークに達するでしょう。

国境の垣根を越えて世界中から日本に人が集まっても、言語の壁が立ちはだかります。日本に居住していても、日本語が上手く話せない外国人も少なくないでしょう。訪日外国人ではなおさらです。

現在こうした外国人のために、交通機関やさまざまな施設で案内や受付をするロボットの導入が進められています。プログラムを組めば、一台のロボットが複数の言語に対応することもできるため、人が多言語を習得するよりも効率的に外国人の応対が可能になるのです。

参考:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数ー総務省
参考:国籍/月別 訪日外客数(2003年~2018年)ー日本観光局

小学生がテクノロジーに興味を抱く足がかりに

小学校の教育が2020年に大きく変わります。グローバル化の影響による3,4年生からの英語教育必修化や、デジタル・ネイティブ世代への教育として高学年からのプログラミング教育必修化などが代表的な内容です。

プログラミング教育の必修化とはいえ、プログラムを実際に構築する授業ができるわけではありません。早い時期からテクノロジーに触れる目的は、論理的な思考の醸成や、今や避けては通れないデジタル技術への興味関心を引き出すことです。

2020年に向けて、すでに英語学習やロボットを活用した授業への取り組みも行われています。公立小学校の3年生に人型ロボットのプログラミング学習を行ったり、英語ネイティブの発音ができるロボットが、ALT*の代わりに英語教育のサポートをするといった実証授業が行われています。

こうした教育を受けた若者のITリテラシーは非常に高くなることが予想され、ロボットに関連する業界への理解や感心も高くなる可能性があります。その際、これまでどおりの手作業が主な工場よりも、ロボットを活用している工場は、人材獲得において大きなアドバンテージとなるかもしれません。

参考事例:教育現場へのロボット導入支援│アウトソーシングテクノロジー ロボティクス課

ロボットが人の生活と仕事を充実させる

ロボットの技術は日々進化しており、新しい領域での活用方法も見出されています。企業が産業用ロボットを上手に活用すれば、高い生産性を維持しつつ大きな利益を生んだり、若い働き手がその企業で働くための訴求力にもなり得ます。

生活面では、掃除や介護といった一般的に負担とされる作業をサービスロボットが肩代わりしてくれることで、自由な時間を多くもてるようになるでしょう。ロボットは人の仕事を奪うのではなく、負担になる作業を肩代わりすることで、仕事も生活もより充実させてくれます。

需要が高まれば供給も増え、ロボットの低価格化と普及が加速します。ロボットがあたり前になる日も遠くありません。アウトソーシングテクノロジーは、「産業用ロボット」と「サービスロボット」の両面から、ロボットの活用をサポートしています。工場への導入や教育現場でのご活用など、お気軽にご質問・ご相談ください。

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