オンラインティーチングとは?【ロボットティーチングの方法】

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オンラインティーチング

産業用ロボットは、人手不足を解消する自動化設備として高い効果を発揮します。その分投資費用も高く、各生産現場に合ったモデルを選択し、システムを構築しなければならないといった数々のハードルが存在します。中でも、ロボットが動作する条件や順番、姿勢などを細かく指示するプロセスはとくに困難です。

ロボットの動作全体は、4~6軸のリンクと、それぞれのリンクを接合するジョイントによる、回転・ひねり・スライドなどの複雑な動作で成り立っています。

ロボットに動作を記憶させるためには、、「ティーチング」という独自の技術で行う必要があります。

今回はティーチング技法のひとつである「オンラインティーチング」について解説していきます。

オンラインティーチングとは

オンラインティーチングとは

オンラインティーチングとは、ティーチングペンダントと呼ばれるリモコンを用いて産業用ロボットの実機を動かしながら、各部の動作を記録する手法です。

事前にロボットの動作をコンピュータ上でシミュレートするオフラインティーチングとは異なり、操作端末とロボットがオンライン状態で繋がっているのが特徴です。

覚えさせた動作を実際のラインで再生(プレイバック)するため、この手法は「プレイバック方式」と呼ばれます。

同じプレイバック方式には、フォースセンサやトルクセンサを備えたロボットに対し、作業者が直接手で動かして動作を記憶させる「ダイレクトティーチング」という手法も存在します。

オンラインティーチングのメリットは、ティーチング手法の中では比較的教育が容易な点です。ロボットの実機を見ながら動作方法を確認できます。

オンラインティーチングの課題

オンラインティーチングの課題

オンラインティーチングは産業用ロボットの稼働に欠かせない技術です。ただし、簡単に運用できるわけではありません。課題をよく理解しておきましょう。以下に課題を3つ解説します。

ティーチングには膨大な時間を要する

オンラインティーチングでは、ひとつの動作をティーチングする際、作業を止める必要があるため、時間がかかるという課題があります。

さらにティーチング作業は、溶接・バリ取り・穴あけ・塗装など、どれを取っても難易度が高く、膨大な時間を要します。例えば、部品1個を組み立てる動作だけでも、下記のような手順を踏む必要があります。

  1. 部品上空までロボットアームを移動させる
  2. アームを下す
  3. 部品をアームで掴む
  4. もう一度上空にアームを移動
  5. 部品を保持したまま本体の組み立てポイントまで移動
  6. 部品を本体にはめこむ
  7. アームを部品から離す
  8. アームを初期位置まで戻す

動作ごとに通過する点や速度、アームの回転、掴む強度などの入力情報はさらに膨大です。製品は数百もの部品からできているため、一つ一つを手動で入力すると時間を要します。

さらに、製品のマイナーチェンジが発生すると部品が変わるため、もう一度入力し直す可能性もあるのです。

ティーチングの質によって作業効率やミス発生率が変化する

エンジニアのスキルと経験によってティーチングの質は異なるため、一見同じ動作でも作業効率やミスの割合が大きく変化します。ティーチングで記録した動作は、実際の量産作業に入ると繰り返しプレイバックされ、簡単に微調整できません。

また、ティーチング中に操作ミスがあると、そもそもラインが正常に稼働せず、事故につながる恐れもあります。

ティーチングエンジニアは自社内で十分に教育したり、熟練者を派遣してもらうなど、優秀な人材を確保するのが前提です。

ティーチング時に生産ラインを停止させる必要がある

オンラインティーチングは、必ず実機を動かして動作を記録するため、工場の生産ラインを停止させる必要があります。そのため、ティーチング作業に時間を費やしたり、ティーチングが頻繁に発生すると損失が大きくなってしまいます。

ロボット導入段階でミスがないよう入念に、かつ動作が少ない時間で済むようなティーチングを施し、ライン稼働後にやり直しや微調整が発生しないようにしましょう。

オフラインティーチングを用いて、ロボット配置の妥当性や稼働後の問題点などを事前にテストする方法も効果的です。

関連記事:【資格取得が必須】産業用ロボットの主なティーチング方法4選

ティーチングペンダントの機能

ティーチングペンダント

産業用ロボットを遠隔で操作するためのティーチングペンダントは、ロボットのメーカーや機種によってさまざまなものが使用されています。

作業者が手にもってティーチングするため、いずれも人間工学に基づき軽量で操作しやすいように作られるのが一般的です。

一般的なティーチングペンダントに搭載される基本機能ついて解説します。

非常停止ボタン

ティーチング中にロボットが想定外の動作を起こし、アクシデントに発展しそうな場合に押すボタンです。どの種類のティーチングペンダントにも必ず赤色で大きく目立つように配置されています。

表示盤

入力情報メニューやロボットのティーチングの記録、異常時のエラーメッセージなどを表示するディスプレイです。表示盤を見ながらロボットの各種設定、速度・加速度、位置データや作業データを入力します。

イネーブルスイッチ

本体機器の裏側にある安全装置にあたるスイッチです。スイッチを押してイネーブル(enable=操作可能)状態にしてから、ロボットの軸操作を行います。強く押すか完全に離すことで電源が遮断され、ロボットが停止する仕組みです。

動作軸キー

左右・前後・上下(X・Y・Z※)の基本3軸に加え、曲げ・ひねり・回転(A・B・C※)の手首3軸、かつ動きの方向を制御する「+」と「-」にそれぞれ対応するボタンキーです。イネーブルスイッチを押しながら、この動作軸キーを押してロボットを操作します。

軸の種類や動きの量を少しでも誤るとミスや事故のもとになるため、必ずボタンを目視で確認しながら押す意識が大切です。

※メーカーによって軸記号は異なります

上記以外にも、十字キーや数値キー、ファンクションキーなどが配置され、手動・自動のモード切替、データの移動・コピーなどさまざまな操作が可能です。

ティーチングは人材調達・育成が命

オンラインティーチングは、先ほど解説したように課題が多く、それに伴い高いスキルが要求される技術です。熟練したティーチングエンジニアの確保なしでは、産業用ロボットの導入は現実的ではありません。

時間と費用がある場合は、自らが抱える社員を教育して継続的な戦力とするのが一番です。もちろん、その余裕がない企業でも人材派遣で即戦力を調達するという手段があります。

ロボット導入をスムーズに、かつティーチング工数を削減するため、ロボットSIerをはじめとした専門家に相談する選択肢も検討してみましょう。

もしロボット活用や現場の課題についてお悩みの場合は、ぜひご相談ください。問題点の抽出や改善施策のご提案、補助金申請のサポートまで、経験豊富なエンジニアが御社のお悩みを解消いたします。

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