NC工作機械とは?数値によるコントロールで作業を自動化

NC工作機械近年、製造現場では機械による作業の自動化が進んでいます。中でも、金属の切削や穴あけなどの危険がともなう加工を自動で行うNC工作機械は、安全性の向上や業務効率の改善、人件費の削減などが見込めます。

今回は、NC工作機械の機能や、従来の汎用工作機械との違いを明確にしながらその特徴を紹介します。

NC工作機械とは?あらゆる加工作業を自動化

NC工作機械とは

NC工作機械とは、数値制御によって操作される工作機械のことです。数値制御とは、JIS(日本規格協会)によると以下のように定義されています。

「工作物に対する工具経路、その他、加工に必要な作業の工程などを、それに対応する数値情報で指令する制御」

引用: 「産業オートメーションシステム−機械の数値制御−用語」日本工業規格

NCとは、数値制御の英訳「Numerical Control」の頭文字をとった略字です。数値情報で指令を出すことで、従来作業員が自らの手で行っていた作業が自動化されるのです。NC工作機械では、旋削、平削り、穴あけ、フライス削りといった加工が可能になります。

一般的にNC工作機械では、加工内容 (工具の経路、加工条件など) を記憶させたテープを用いて信号を与え、サーボ機構を作動させて工具やテーブルの運動を制御しながら加工します。サーボ機構とは物体の位置、方位、姿勢などを目標の値に追従させるための制御系です。

NC工作機械の主な特徴や種類

手動で加工を行っていた従来の「汎用工作機械」と比べて、NC工作機械にはどのような特徴があるのでしょうか。今回は安全性、品質、コストに分類して紹介します。

1.高い安全性

汎用工作機械では作業員自らの手で加工を行っていたため、機械に巻き込まれる、刃物で怪我をするなどの危険性がありました。実際に、厚生労働省は「労働災害統計(平成29年)」の中で、死亡災害の発生件数は製造業が建設業に次いで多いというデータを発表しています。NC工作機械を導入すると、作業員が機械を直接操作する必要がなくなるため、労働災害の危険性が低くなり、作業員の安全が確保できます。

参考: 『労働災害統計(平成29年)』厚生労働省

2.安定した品質

作業員によって手動で加工操作を行う場合、操作ミスや経験不足などで、寸法や面の状態にバラつきが生じる可能性があります。NC工作機械を用いると、疲労による操作ミスや熟練度による仕上がりの差がなくなり、品質を安定させることが可能です。また、NC工作機は2軸以上を同時に動かせるため、円弧や曲面などの複雑な加工も高精度で自動製造できます。

3.時間・育成コストの短縮

切削条件をプログラムに入力するだけで加工が行えるため、無駄な動きがなく、加工時間を短縮できます。

作業員が自らの手で作業しなければならない場合、加工技術を習得するために長期的な教育が必要になります。しかしNC工作機械を導入すると、使用方法の教育を実施するだけでよく、長期にわたる技術面の育成コストを削減することが可能です。

NC装置が取り付けられている工作機械としてNC旋盤が挙げられます。旋盤とは加工物を回転させ、バイトと呼ばれる工具で切削加工を行う工作機械です。上述した旋削、平削り、穴あけ、フライス削りといった加工は、長年技術を磨いてきた熟練職の仕事でした。しかし、NC旋盤によって、経験の浅い従業員でも複雑な加工ができるようになったのです。

1台で複数の機能を持つマシニングセンタなどの複合加工機械であれば、機械間の部品供給時間や作業の待機時間が短縮できます。マシニングセンタとは、「NC工作機械」に「ATC(Automatic Tool Changer )」という装置が付いている機械です。ATCを装備すると、一度の工程で2種類以上の工具を使う際、作業員が機械に装着している工具を取り替える必要がなくなります。マシニングセンタについて詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。

関連記事:マシニングセンタ(MC)とは?NC工作機械との違いや効果的な活用方法

NC工作機械はこうしたメリットがありますが、使い方を間違えると、大量の不良品をつくってしまったり、あるいは工具や工作機械そのものを壊してしまう可能性もあります。手動で工具を動かす汎用工作機械と比べて、加工の様子を観察しにくく、材料を切削する時の音も聞こえにくいため、NC工作機械は正確に取り扱わなければ効果が発揮できません。

加工シミュレーションができるNC工作機械も開発されている

NC工作機械の動向

近年のNC工作機械はコンピュータによる制御が進んでいます。コンピュータによる数値制御を備えているNCはCNC(Computerized Numerical Control)と呼ばれています。

サブミクロン(1万分の1ミリ)のオーダーに対応した高精度の機械も登場しており、電子機器などの精密加工に用いられています。また、加工物の搬入出や洗浄、計測などの作業も自動で行う機種もあり、製造業界における生産性の効率化に寄与しています。

振動センサーや温度センサーなどの感知器が設置されたNC工作機械も開発されています。感知器から得られる運動制御情報をもとに、工作機械の運動をリアルタイムでシミュレートすることも可能です。例えば、温度センサーの情報からリアルタイムで加工精度を阻害する熱変形を推定し、機械の運動を制御できます。

また、NC工作機械と産業用ロボット・無人搬送車などを組み合わせたFMC(Flexible Manufacturing Cell)や、複数のFMCを組み合わせたFMS(Flexible Manufacturing System)といったシステムが開発され、製造現場の自動生産は日々進化しています。

ノウハウを身につけてNC工作機械の効果的な運用を

NC工作機械を活用する場合、被加工物を設置する位置、使用する工具の選定などを従業員に周知しなければなりません。また、加工するためにはティーチング作業といった専門的な知識が必要になります。さらにNC工作機械を安全に活用するための法律や効果的に活用するノウハウを押さえておく必要があるのです。NC工作機械の導入を検討している場合は、以下の記事を参考にロボット活用で最低限必要な知識を網羅しておきましょう。

関連記事:【法律・お金・実務】産業用ロボットの導入に最低限必要な知識まとめ  <https://www.robot-befriend.com/blog/robot_howto>

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