2019/09/30

新QC7つ道具とは?従来の7つ道具との違いや各道具を解説

新QC7つ道具

製造業では品質管理が重要になってきます。品質管理の徹底は廃棄ロスやムダの削減、 顧客からの信頼獲得、設備稼働率の上昇など、数多くの恩恵がもたらされるためです。

品質管理を行うため、製造現場ではさまざまなデータが集められています。しかしデータはたくさんあるものの、どのように整理・活用すればいいのかわからないといった悩みを抱える企業があるのも事実です。

品質管理には、集めたデータを効果的に活用するための方法が数多くあるのはご存知でしょうか。今回は品質管理におけるフレームワーク「QC7つ道具」と「新QC7つ道具」について解説します。

分析と改善を繰り返すQCとは

QCとは

QCとは品質管理のことです。「Quality Control」の頭文字をとって名付けられています。品質管理とは製品の品質を、一定の水準に保つために科学的に管理する方法です。

QCに関わる活動をQC活動といいます。製品の規格を明確にし、製造工程や製品のテスト、検査を行うことでデータを取り、統計的な分析や管理、改善活動を組み合わせて品質の向上を図る活動です。QC活動を現場で行う従業員の集団を、QCサークルといいます。

QCには、分析や改善をサポートする「QC7つ道具」と呼ばれるフレームワーク・考え方があります。この7つ道具はQC活動の上で定量的なデータを扱う際に効果的です。しかし現場では、すべての問題が数値に表れ、データとして扱えるわけではありません。そこで考えられたのが「新QC7つ道具」です。新7つ道具によって、数値にするには難しいような特性や要因を言語データとして整理し、活用できます。

定量的に分析する!QC7つ道具

QC7つ道具

QC7つ道具とは統計データのような、数値によって、品質管理を定量的に分析するために利用される方法です。具体的にはパレート図、ヒストグラム、散布図、特性要因図、チェックシート、グラフ、管理図になります。

パレート図

パレート図

パレート図とは、分類項目別にデータを分け、数値の大きい順に並べた図です。棒グラフと折れ線グラフで表します。パレート図を用いることで、各項目における重要度の把握が可能です。

ヒストグラム

ヒストグラム

ヒストグラムとは、データを一定の範囲で分け、各範囲に該当する数値を縦軸に取るグラフです。データの分布や平均、ばらつきなどを把握できます。

散布図

散布図

散布図とは、対になった2つのデータを、XY軸上に点の集合で表した図です。「特性」と「要因」や、「特性」間の関係が把握できます。

特性要因図

特性要因図

特性要因図とは、「特性(結果)」がどのような「要因」によって構成されており、どの要因に変動があると看過できない影響を及ぼすのか、視覚的に管理できる図です。魚の骨のような形をしているので、「フィッシュボーン図」とも呼ばれています。

関連記事:【図解】特性要因図は課題解決や改善活動に効果的。種類や書き方を解説

チェックシート

チェックシート

チェックシートとは点検、調査、確認などを可視化し見やすくするために、あらかじめデータを記入する項目を分類してチェックをする方法です。チェックシートの利用によって、現場でデータを収集、整理しやすくなります。

グラフ

グラフ

グラフは複数のデータを図示し、傾向や変化、大小関係を可視化する方法です。主な図として棒グラフや折れ線グラフ、クモの巣グラフ(レーダーチャート)が挙げられます。

管理図

管理図

管理図は折れ線グラフに3本の線を引いたものです。上側の線を上方管理限界線(UCL)、真ん中の線を中心線(CL)、下側の線を下方管理限界線(LCL)といいます。データを時系列に配置し、対策可能で回避できる原因と、偶発的で避けられない原因に分類が可能な方法です。

定性的に分析する!新QC7つ道具(N7)

新QC7つ道具とは

新QC7つ道具とは、言語データを図に整理することによって、定性的に品質管理における問題の解決を目指す手法です。英語にすると「New Quality Control - 7 Tools」なので、「N7」ともいわれています。N7における7つの道具は親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、アローダイアグラム、PDPC法、マトリックスデータ解析法です。

親和図法

親和図法

親和図法とは、問題となる要因を親和性(関連性)の高いグループに分け、整理・体系化する方法です。ひとつの要因ではわからなかった課題を明確化し、問題の構造を掴むことができます。

連関図法

連関図法

連関図法とは原因と結果、目的と手段などが複雑に絡み合った問題の因果関係を、論理的につなぐことで問題を明らかにする手法です。要因と要因を矢印で結び、因果関係を見つけた上で主要因を追求します。

系統図法

系統図法

系統図法とは、目的達成のために最適な手段や方法をツリー状に並べる方法です。この手法では、目的を達成するための手段を目的として捉え、その手段を考えるという作業を何度も行います。その作業によって、目的と手段を多段階に展開でき、最終的に実行するための手段にたどり着くことができるのです。

マトリックス図法

マトリックス図法

マトリックス図法は、ふたつの要素を「列」と「行」に分け、その対応関係を明らかにする手法です。系統図法によって展開した手段の重要度や役割分担などを決定するために用いられます。

アローダイアグラム

アローダイアグラム法

アローダイアグラムは問題を解決するための作業が複雑に絡み合っている場合、各作業の関係と日程の繋がりを明らかにします。PERT(Program Evaluation and Review Technique/プログラム・エバリューション・アンド・レビュー・テクニック)という、プロジェクトマネジメントに関するモデルを品質管理に適用させた手法です。

作業同士を線で結び、順序関係を記載することで、作業の最適な日程を計画・管理できます。また、全体が一覧できるため、作業の着手をする前に工程の問題点が明確になるという点もメリットです。

PDPC法

PDPC法

PDPCは事前に考えられるさまざまな結果を予測し、目標達成までに不測の事態が起こっても代替できる案を明確にしておく方法です。「Process Decision Program Chart」の略で、日本語では「過程決定計画図」と呼ばれています。プロセスが流動的で予測が困難な場合、対応策をあらかじめ決めておくことで、問題が起こった際に予定を頓挫させずに済むことが可能です。

マトリックスデータ解析法

マトリックスデータ解析法

「新QC七つ道具」の中で、唯一数値データを取り扱う方法です。ふたつ以上の数値データを解析し、問題の整理や解決の糸口を見つけます。「主成分分析」という統計学で扱う「多変量解析」の手法の一つです。

7つ道具はケースバイケースで柔軟に

今回ご紹介した道具は覚えてすぐに使いこなせない面もありますが、考え方は参考になる部分が多いため、ひとつひとつ取り組んでみてもいいでしょう。いくつか使いこなせるようになれば、複数を組み合わせてみるとより効果的になります。

近年では産業用ロボットを用いている製造現場も多く、品質管理のクオリティは向上しています。品質管理をより効率的に行いたい場合は、産業用ロボットの導入を検討してみてもいいでしょう。

もしロボット活用や現場の課題についてお悩みの場合は、ぜひロボットSIerにご相談ください。問題点の抽出や改善施策のご提案、補助金申請のサポートまで、経験豊富なエンジニアが御社のお悩みを解消いたします。

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