2019/06/24

部品表(BOM)は生産管理の要。目的で変わる種類や管理方法の違い

部品表

製造業において生産性を向上させるためには、製品情報の整理整頓が必要になります。現在の在庫や発注量などの情報が明確になっていなければ、改善点がわからなくなるためです。

製造業においては「部品表」が情報管理の一翼を担っています。今回は部品表に記載する情報や種類、管理方法の違いといった基本的な知識や、部品表の必要性について紹介します。

生産管理システムの基幹となる部品表(BOM)とは

部品表とは

部品表とは、部品や原料を管理する際に用いる表です。英語では「Bill of Material」と訳し、日本では頭文字を取ってBOMと呼ばれています。

現在、市場ニーズの移り変わりの速さや人材不足など、製造業の経営環境は厳しくなっています。こうした社会背景のなかで企業を存続させていくためには、現場のソフト面、ハード面を問わず改善を行うことが重要です。現場の改善施策は数多くありますが、なかでも生産管理システムの見直しは、現場のボトルネックを解消できる可能性が高い施策です。

部品表は生産管理システムにおいて、基幹となる情報を記載しています。記載される情報の例が以下になります。

設計技術情報 品目番号、品名、品目、単位、重量など
在庫関連情報 在庫の有無 、在庫保管場所 、発注残数量 、安全在庫数量など
製造関連情報 製造方針、製造工数 、リードタイム、検査時間 、不良率など
購買関連情報 取引先業者名 、発注単価 、ロットサイズ 、発注方式など

また、設計、製造、購買など、製造業のさまざまな部門で活用されており、代表的な施策例が以下です。

設計部門 図面検索、部品の標準化、設計変更の検討など
製造部門 生産計画の立案・変更、生産スケジュールの立案・変更、在庫管理など
購買部門 購買計画、業者選定、単価設定など
原価部門 原価計算、再分析など
生産技術部門 工程検討、リードタイムの検討、設備設計など

設計部門と製造部門で異なる部品表

E-BOMとM-BOM

部品表には各部門での利便性を考慮していくつかの種類があります。ここでは、設計部門と製造部門で用いられる代表的な部品表について紹介します。

E-BOM(設計部品表)

設計で用いられる部品表は、「Engineering BOM」、略して「E-BOM」と呼ばれています。開発部門にも用いられる部品表です。部品構成や情報管理、コスト試算などに活用します。

M-BOM(製造部品表)

主に製造で用いられる部品表を「Manufacturing BOM」、略して「M-BOM」と呼びます。製造部門だけでなく、調達部門や生産管理部門でも使われる部品表です。生産スケジューリングや生産指示、工程管理、部品手配で用います。

E-BOMとM-BOM表に記載される情報は、必ずしも一致するとは限りません。E-BOMは機能面から、M-BOMは製造や調達面から必要部品が考えられるからです。製造部門は、設計部門が作成したE-BOMの情報をもとにして、M-BOMの構築や製品の製造を行います。

しかし、M-BOMにはE-BOMの段階では載らなかった部材などが追加されるため、品名や品目番号が変わってしまうことがあります。例えば同じ部品であっても、部署ごとに登録された品目番号が異なると、どの部品を指しているのか判断できません。そのため、部署間の確認や、在庫があるにも関わらず部品を追加注文してしまうといったムダが生じる可能性があります。実際に、企業によってはE-BOMとM-BOMのシステムが異なる場合もあるのです。

このような課題を解決するために、「rBOM」という製販一体型のパッケージシステムがあります。rBOMはE-BOMとM-BOMを統合して管理でき、部門間のスムーズな情報共有を可能にします。

rBOMはリードタイムや発注方式などのデータを標準化し、部門間でリアルタイム共有ができます。仕様変更が多い個別受注・多品種少量での生産においても、資材調達における原価計算や見積もり、新たな設計図の作成などの業務の煩雑化を防げます。

また、企業によっては「S-BOM」と呼ばれる販売用の部品表が使用される場合があります。ほかにも保守・点検などのサービスで使用される「サービス部品表」というものもあります。

「サマリ型」と「ストラクチャ型」で分けられる管理方法

サマリ型とストラクチャ型

部品表の管理方法は、サマリ型とストラクチャ型の2種類に分類することが可能です。2つの管理方法について、それぞれの特徴を解説します。

「サマリ型」は数量確認や原価計算などに活用

製品の加工や組み立ての順序に関係なく、部品の数を入力する管理方法が「サマリ型」です。必要な部品の総数がわかり、部品調達や原価計算に向いています。

たとえば、最終製品Xを生産するために、中間製品Y2個と部品Z4個が必要であり、さらにYの生産にはZを2個用いるとします。サマリ型では最終製品の構成に必要な部品を登録するため、このケースではYが2個、Zを8個登録することになります。

「ストラクチャ型」はMRPと連携した生産管理で活躍

最終製品に必要な部品を並列で記載しているサマリ型に対して、階層毎に分けて記載する方法が「ストラクチャ型」です。ストラクチャ型では、必要な部品を階層毎に分けて登録します。サマリ型は数量を手軽に確認できる点では適していますが、そのほかの用途には向いていません。ストラクチャ型は、初期の設計に時間がかかるものの、MRP(Material Requirements Planning)との連携によって在庫量の把握などに活用できます。

関連記事:生産管理のMRPとは?MRP2やERPへの変遷と取り組むときの注意点

部品表が現場の業務効率化を支える

部品表を用いることで、一つひとつの部品が各工程のどのタイミングでどこに使用されるかを特定できるようになります。部品の流れを可視化できると在庫管理を適切に行え、過発注や欠品の防止につながります。また、情報共有の手間も削減でき、業務効率化も見込めるでしょう。

また、製造業界では、RPAや産業用ロボットなどの革新的なテクノロジーが台頭しており、製造現場の自動化(ファクトリー・オートメーション)が進んでいるのです。製品の設計、製造だけでなく、調達や販売まで管理する部品表は自動化の一助となります。もしロボット活用や現場の課題についてお悩みの場合は、ぜひロボットSIerにご相談ください。問題点の抽出や改善施策のご提案、補助金申請のサポートまで、経験豊富なエンジニアが御社のお悩みを解消いたします。

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